理事長挨拶
理事長からのメッセージ
2024年11月
一般社団法人 日本臨床精神神経薬理学会(JSCNP)理事長として、一言ご挨拶を申し上げます。
2024年10月より第12代理事長に就任いたしました。渡邊衡一郎副理事長をはじめ、理事、評議員、会員の先生方とともに学会のさらなる発展に尽力してまいります。皆様のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
日本臨床精神神経薬理学会(JSCNP)は、1991年に「臨床精神神経薬理研究会」として設立され、精神科薬物療法の発展を目的に活動を続けております。現在、会員数は1500名を超え、大学教授をはじめとする多くの優れた研究者が所属し、次世代の教育と育成にも力を注いでいます。
臨床精神神経薬理学とは、精神神経系領域において、エビデンスに基づき、最適な薬剤を適切な量と方法で対象群に投与する「合理的薬物療法」を科学的に追求する学問領域です。当学会は、精神科薬物治療の安全性と有効性を精査し、合理的な薬物療法の確立を目指して、薬物動態学、薬力学、薬物相互作用、ゲノム薬理学、薬物治療ガイドライン、有害事象、向精神薬の開発治験など多岐にわたるトピックに取り組んでいます。JSCNPの専門医(精神神経薬理学専門医)はこれらの領域に精通し、高度な精神科薬物療法を実践する医師として、日本精神神経学会のサブスペシャリティ専門医に認定されています。
JSCNPの主な活動には、年会や各種セミナーの開催、学会誌の発刊、精神神経薬理学専門医の教育と認定、最優秀論文へのPaul Janssen賞授与、海外研修制度の提供などが含まれます。また、教育機能の充実を図り、e-learningやオンライン講習会の拡充も予定しています。さらに、専門医向けの学術テキストや薬物療法ガイドライン、エキスパートコンセンサスも作成・発刊を計画しており、臨床現場での実践を支援しています。また、日本神経精神薬理学会と協働し、多くの委員会を合同で運営することでアカデミア、産業界、行政機関に対してプレセンスを示しつつ、精神科薬物治療の向上に寄与しています。
引き続き、皆様のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
一般社団法人 日本臨床精神神経薬理学会 理事長
獨協医科大学精神神経医学講座 主任教授
古郡 規雄